イブラヒム・シールファルの作品
天然染料によって染めあげられた淡いピンクを基調としたシールファルの代表作。
丸いメダリオンを中心に配された花々は、しなやかなフォルムをもってフィールドいっぱいに展開し、柔らかな色調と相まって春の小川のゆるやかな流れを感じさせます。
こうした瀟洒で上品な趣に満ちた彼の作品はとりわけ女性たちの心を捉え、今日のイランにおけるタブリーズ絨毯人気の火付け役となりました。
淡い色を美しく染めるには限りなく白に近い糸を用意する必要があり、そのため本作にはオーストラリアやニュージーランドから輸入された絨毯用の毛糸がパイルに使用されています。