イラン地図を織り出したペルシャ絨毯

イラン地図を織り出したペルシャ絨毯

イラン地図を織り出したペルシャ絨毯

[画像:イラン・ジャン絨毯とカルガーCEO]

マシャドのタスニム通信が伝えたところによると、本年10月25日(グレグリオ暦)、イラン地図を織り出したペルシャ絨毯の除幕式が第2回国際地方政府交流会議の開催期間中に行われました。
「イラン・ジャン」と命名されたこの絨毯は、マシャドのアスタン・クッズ・ラザヴィ絨毯会社が製作したものです。
同社CEOであるハミド・カルガー氏は除幕式に際し、イラン・ジャン絨毯がイラン美術の多様性を世に示す試みとして製作されたものであることを公表しました。

ペルシャ絨毯には実に様々なパターン、文様、色彩があり、それらにはまた地域性があります。
個々の文様は一つの「祖国」という精神を有しており、イラン・ジャン絨毯のデザインはイランが異教徒による侵略に対峙していた時代、その精神こそがイランに暮らすあらゆる民族の団結の柱となったことに由来するものだとカルガー氏は言います。
イラン地図は様々な文様によって描かれていますが、すべての文様を一枚のペルシャ絨毯に織り込むことは不可能であるから、各州の有名なデザインの中から一つだけを選んで採用したそうです。
イラン・ジャン絨毯に見られる文様、はイランの各州で製作される絨毯の文様のほんの一部に過ぎないのです。

イラン・ジャン絨毯の上部メインボーダーのカルトゥーシュには『イランはヤズダンの画廊』というペルシャ文字があり、下部サブ・ボーダーには『PERSIAN CARPET』の英文字がイラン国旗に使用されている赤、白、緑の3色を用いて織り出されています。
ヤズダンは中世ペルシア語、クルド語で「神」を意味します。
イランを取り巻く国々の部分にはペルシャ絨毯の文様の中で最も知れているパルメットやペイズリーが。
サブ・ボーダーにはイスラムの連続文様が用いられており、光、神聖さ、祝福を意味するシャー・アッバスのパルメットがメインボーダーの中に配置されています。
そしてボーダーを囲むのは、自由、安定、そして生命の象徴とされる糸杉です。

カルガー氏によれば「Caspian Sea」(カスピ海)、「Persian Gulf」(ペルシャ湾)、「Sea of Oman」(オマーン海)に英文字が記されているのは、これらがイランのものであることを世界に示すためであるとのことです。
イラン・ジャン絨毯は、イラン北東部のカシュマールにあるアスタン・クッズ・ラザヴィ絨毯会社の工房で4ヶ月をかけて織り上げられました。
3メートル四方の大きさで、植物染料を使用し、ペルシャ絨毯によく見られる色彩を代表する約20色を用いられています。
この絨毯はヤセル・マスミアンがデザインし、ザフラ・アザラクシュとマリヘ・サデギ・ラドが織りを担当しました。

【イランジャン絨毯】

イラン地図を織り出したペルシャ絨毯は、19世紀末には既に製作されていました。
イラン・ジャン絨毯がユニークな点は、各州をその州で製作されるペルシャ絨毯の文様をもって表していることです。
ペルシャ絨毯には少ないモラバ(正方形)であるのも特筆すべきでしょう。

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