イラン製のペルシャ絨毯風機械織絨毯はどこで生産されているのか

イラン製のペルシャ絨毯風機械織絨毯はどこで生産されているのか

イラン製のペルシャ絨毯風機械織絨毯はどこで生産されているのか

カシャーン郊外の機械織絨毯工場

最近、大量に出回っているイラン製のペルシャ絨毯風機械織絨毯。
かつてのペルシャ絨毯風機械織絨毯は簡単に見分けることができましたが、技術の進歩により写真だけでは判別できないまでに進化しています。
おまけにエッジとフリンジは本物のシルクを人間の手で縫い付けてありますから、素人にはなかなか判別しにくいかもしれません。
「シルク」「バンブー・シルク」「ビスコース」「天然繊維」などとして販売されていますが、実際の素材は化学繊維の一種であるレーヨンです。

それでは、この機械織絨毯はイランのどこで生産されているのでしょうか。
結論から言えば、これらのほとんどはカシャーン郊外にあるいくつもの工場で生産されています。
カシャーン郊外にはイランの機械織絨毯工場の70% 以上が集中しており、このためカシャーンはイランの機械織絨毯の中心地として知られるようになっています。
かつてのペルシャ絨毯の都は、いまや機械織絨毯の都となっているのです。

時が経つにつれ、カシャーンの機械織絨毯工場は技術が進歩し、数も増加しました。
その中の一つであるスレイマン・サバヒ・カーペットの工場は、カシャーンから数キロ離れたアルンとビドゴルにあります。
これらの町はイラン最大の機械織絨毯の生産地です。
もう一つの生産地はファトゥル・モービンです。
この町には多くの機械織絨毯メーカーがあり、そのうちの1つがセターレ・コロシュ・カーペット・ファクトリーです。
この町では、機械織絨毯の展示販売会が開催されています。

カシャーンの機械織絨毯工場は、あらゆる種類の機械織絨毯の生産において20年以上のキャリアがあります。
最新技術を用いて生産された機械織絨毯は、機械織絨毯としてはよく出来ていますが、素材には化学繊維が用いられているものが多く、そのため安価にて販売されています。
カシャーンには機械織絨毯を販売する多くの絨毯店があり、ここで買付られたものは日本にも大量に輸入され、仕入値の10倍以上の価格で販売されているのです。
レーヨンは風合いがシルクに似ていることから人造シルクやマン・シルクと呼ばれることがあります。
これを悪用し、カシャーンで生産されたレーヨン製の機械織絨毯を「カシャーン産のシルク絨毯」として販売している業者もいると聞きます。
明らかな詐欺行為ですが、わが国ではこうした悪徳業者は野放しにされているのが現状です。

これは何も日本に限ったことではありません。
以前、お客様がドバイでペルシャ絨毯として購入したという絨毯は、この種のペルシャ絨毯風機械織絨毯でした。
また、別のお客様がウズベキスタンでシルク絨毯として購入された絨毯もまた、同じくレーヨン製の偽ペルシャ絨毯でした。
海外旅行の記念にとペルシャ絨毯を購入される方もいらっしゃるでしょうが、こうした偽物を掴まされるリスクがあることを肝に命じる必要があります。

イラン製のペルシャ絨毯風機械織絨毯は写真だけでは判別できないほどに進化しています。
画像はイランの機械織絨毯メーカーがホームページで販売しているもの。
機械織であることは明示されていますが、素材はシルクとなっています(実際はレーヨン)。
商品名は何と「マスミ」。
民間のペルシャ絨毯産業に関わる団体では対策が協議されているようですが、イラン政府が対策を講じる気配はまったくありません。
国にとっては機械織のコピー商品であれ、外貨を稼げればよいということでしょうか……。
ペルシャ絨毯産業が衰退する一因が、こうしたコピー品の濫造にあることを政府機関は認識しなければなりません。

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