プーチンがペルシャ絨毯に降参した話
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INCC(イラン国立絨毯センター)所長のファラハナズ・ラフェ氏は、セイェド・ハディ・カサイザデ記者(ジャーナリスト)とのインタビューで、ロシア大統領に金糸を織り込んだシルクのペルシャ絨毯を贈呈したという噂を否定しました。
同氏によると、この噂はメディアで報じられたのではなく、ネット上で広まったといいます。
一部の者たちがINCCの活動を妨害するためにこれを行ったとし、絨毯職人や知識のある人なら誰でも6平米の絨毯に金糸を織り込めば数十キロの重さになることを知っていると断じました。
また、絨毯を簡単に折りたたんで箱に詰める動画があることも明かしています。
INCCは政府機関であり、贈呈用の絨毯など所有していません。
この絨毯は民間企業から展示会に寄贈されたもので、テヘラン国際博覧会で展示される予定でした。
ロシア大統領と他の5か国の大統領がこの展示会を訪れた後、ラフェ氏は世界中の国々にペルシャ絨毯の市場を開拓するよう要望したことを多くのメディアは報じませんでした。
ラフェ氏は、過去3年間の自身の活動を振り返ります。
INCCの所長に就任後、1年目はセンターの閉鎖的な状況を調査し、その解決に全力を注ぎました。
その一つが法改正であり、これは順調に進展したといいます。
もう一つの課題は、絨毯産業従事者への資金援助でした。
200万人の絨毯職人と19万1000人の絨毯業界関係者が困窮していましたが、これを緩和することができたといいます。
INCCの年間予算は僅か200億リアル。
しかも6年間、予算は1リアルも割り当てられていませんでした。
しかし、民間の協力と労働省の支援を得て、内職のための訓練施設を開設します。
依然として課題は残っていました。
INCCの予算200億リアルのうち、実際に振り込まれたのは僅か80億リアルで、これはテヘラン南部(庶民層エリア)のアパート1戸分に相当する額でしかありません。
過去3年間で37件もの「初」を達成するため、毎年、予算は使い果たされました。
第1回カーペット・セレブリティ・フェスティバル、第1回イラン高級絨毯フェスティバル、そして世界各国の元首を招き、ペルシャ絨毯と絨毯産業を紹介する初の展示会の開催などがそれです。
ラフェ氏は、タジキスタン大統領、カタール首長、ロシア大統領、トルクメニスタン大統領、ベネズエラ大統領がこの展示会を訪れ、よい反応があったと述べました。
たとえばカタールで開催されたワールドカップ期間中、ペルシャ絨毯の展示会を開催するため招待されたことです。
ロシアのプーチン大統領がイランのライシ大統領とともにこの展示会を訪れた際の様子を捉えた動画がネット上に公開されましたが、そこにはいくつか注目すべき場面がありました。
このときラフェ氏は、プーチン大統領にイランの絨毯産業には200万人が関わっていることを伝えます。
するとプーチン大統領は通訳に「もう一度聞いてください。200万人ですか?」と乞い、ラフェ氏が「そうです」と答えると、大統領は驚愕し、両手を挙げて「降参」のポーズをとりました。
ラフェ氏によれば、トルクメニスタン大統領の訪問の際にも、同じような出来事があったといいます。
展示会場を歩いていると、大統領は100平米のシルク絨毯を前にして、好奇心から前に出て絨毯について説明を求めてきました。
ベネズエラ大統領夫人も、併設のワークショップで絨毯の織り方を学びたいと依頼してきたそうです。
またカタール首長はラフェ氏のアラビア語の堪能さに感心し、アラビア語で話すよう依頼しました。
カタール首長に「ペルシャ絨毯をワールドカップ市場に投入すれば、私たちが織っている美しい絨毯をFIFAミュージアムに展示できます」と伝えたたところ、首長はラフェ氏と彼女の家族をワールドカップに招待することを約束。
ワールドカップの期間中、カタールでペルシャ絨毯の展示会を開催することが決まりました。


