ペルシャ絨毯を敷く際に気をつけること
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ペルシャ絨毯は、ただ美しいだけでなく丈夫で長持ちすることから、世界中の多くの家庭や施設で使用されています。
しかし、敷く際にはいくつかの注意点があることを忘れてはなりません。
ペルシャ絨毯は丈夫であるとはいえ高価なため、正しい敷き方を知ることが何よりも大事なのです。
それではペルシャ絨毯を敷く際、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
まず、ペルシャ絨毯を敷く際に気をつけることは床材を選ぶことです。
これが絨毯の耐久性を保つ鍵となります。
硬い素材、たとえば木材や大理石などの床であればペルシャ絨毯にとってベストです。
対して敷きつめ式の機械織カーペット、とりわけパイルの長いものは不向きです。
この上にペルシャ絨毯を敷くと安定せず、下のカーペットのパイルが流れる向きに動いてしまいます。
安定しないので、パイルが均等に摩耗しない原因にもなります。
当然、ゴワゴワとして踏み心地もよくありません。
木材や大理石などの硬い床材の上に敷く場合は絨毯がずれやすくなりますので、滑り止めマットを使用するのがお勧めです。
滑り止めマットは、絨毯と床との間に摩擦を生み出して絨毯が動かないようにしてくれます。
これにより、絨毯がずれたり摩耗したりするリスクを軽減し、歩行時の快適さも向上します。
滑り止めマットは、特に小さな絨毯には有効です。
玄関マットやキッチンマットなどとして使用する場合は安全性の面からも使用した方がよいでしょう。
小さなお子様やお年寄りがいる家庭であれば尚更です。
また、ウールの絨毯の場合、特性として端が内側に丸まることがあります。
端が丸まったまま敷いてしまうとパイルが変に擦り減ったり、横糸が切れてしまう原因になります。
次に、ペルシャ絨毯敷く場所の環境も考慮すべきです。
高湿度や直射日光が当たる場所での使用は避けた方がよいでしょう。
ペルシャ絨毯に限らず手織絨毯は高温多湿の環境に弱く、特に湿気は大敵です。
湿気はカビや害虫の発生を招くほか、繊維を劣化させる原因ともなります。
湿度が高い環境にある場合、除湿機を使用したり、定期的に換気を行ったりすることが肝心です。
また直射日光が当たる場所に絨毯を敷くと色が褪せてしまったり、繊維が劣化したりすることがあるため、カーテンやブラインドで日差しを遮る工夫をする必要があります。
寒い季節には、暖房器具の近くに絨毯を敷くと熱によるダメージが懸念されるため、適切な距離を保つことが大切です。
ペルシャ絨毯にはメンテナンスも不可欠です。
その美しさを保つためには定期的に掃除する必要があります。
掃除機を使用する際には、擦りすぎないように軽くかけるのが基本です。
また、汚れがついた場合は、早めに対処することが肝心です。
水分や油分が生地に染み込むと取り返しのつかない事態を招くことがありますので、何かをこぼした場合は軽く叩くことで汚れを浮かせ、すぐにタオルで吸い取ります。
汚れが酷い場合は、必ず専門のクリーニング業者に依頼してください。
素人によるクリーニングほど、ペルシャ絨毯を駄目にする危険性を孕むものはありません。
さらに、ペルシャ絨毯はインテリアの一部としての役割も果たしますので、その配置にも工夫が必要でしょう。
インテリアのコンセプトや色合いと調和するようにすれば部屋全体が纏まり、より居心地の良い空間が生まれます。
また、特定の部分だけが摩耗しないように家具の配置を考えることも必要です。
リビングルームではソファやテーブルの周りに配置し、それらの家具が絨毯の境界を囲むような配置にすると、視覚的にも美しくまとまります。
できるだけ家具の配置を工夫して、絨毯全体が均等に使用されるようにしましょう。
以上の点を考慮することは、ペルシャ絨毯の美しさを最大限に引き出し、長持ちさせるために不可欠です。
手入れについては面倒に感じることもあるかもしれませんが、それを通じて家族とのコミュニケーションが深まり、心地よい居住空間が築かれるはずです。
ペルシャ絨毯を単なる装飾品と捉えるのではなく、背景にある歴史や文化、技術や伝統を理解して、正しい方法で取り扱うことが、美しい状態のまま長持ちさせることに繋がります。
人生の如何なる場面においてもペルシャ絨毯は、生活に彩りと癒しを与え続けてくれることでしょう。

