傷んだペルシャ絨毯やキリムの活用法
[画像:傷んだペルシャ絨毯をオットマンやクッションに使用した例]
イギリスのインテリアデザイナーでチャールズ皇太子、ダフネ・ギネス、ボーフォート公爵などの邸宅を手掛けた故ロバート・カイム(1946~2022年)は、「部屋の装飾は必ずラグから始める」という言葉を残しています。
ペルシャ絨毯やキリムは、部屋の雰囲気を左右する重要な要素です。
しかし、古い絨毯やキリムがもう使えなくなったり、コレクションしているアンティーク絨毯を置くスペースがなくなってしまったらどうすればいいでしょうか?
解決策の一つは、創造性を発揮して傷んだペルシャ絨毯やキリムを再利用し、サステナブルで手頃な価格で個性的なインテリアを演出することです。
「持続可能なライフスタイル」が注目される今日、これは極めて意義のあることでしょう。
アンティーク絨毯の中には糸が痛んでたり、貴重すぎたりするため、敷く以外の使い方をしなければならないことがあります。
ペルシャ絨毯やキリムをタペストリーにすることは、美しいデザインの作品や貴重なアンティーク絨毯を魅力を最大限に引き出すのに極めて有効な方法です。
『House and Garden』によれば、前述したロバート・カイムは部屋のデザインを敷物から始めることが多かったのですが、コレクションした絨毯やキリムを壁に飾ることも好きだったそうです。
ロンドンのフラットの玄関ホールには、複雑な模様のアンティーク絨毯が2枚、彼のコレクションのアート作品と並んでアンティーク・チェアのに掛けられ、床には別のアンティーク絨毯が敷かれていたといいます。
これらのアンティーク絨毯はピクチャーレールに取り付けられていました。
絨毯の裏側に布製のカバーを縫い付け、リングやS環を取り付けるというものです(絨毯が特に高価または繊細でない場合は、これらを直接縫い付けることもで可能です)。
それほど重くないシングル・ノットの絨毯やキリムであれば、マジックテープや画鋲で壁に取り付けることもできます。
ちなみに、わが国唯一の絨毯博物館である神戸の白鶴美術館では、板にマジックテープを貼り付け、ピクチャーレールから吊るす方法を採用しています。
釘は絨毯やキリムの繊維に修復不可能な損傷を与える可能性があるため、絶対に使用しないでください。
タペストリーにするのは、古い絨毯を長持ちさせる最適な方法です。
キリムやジャジムなど、トルコ、中央アジア、中東原産の平織りでパイルのない敷物は、嵩張らず布のように使えるため、布張りへの再利用に適しています。
毛足の長い絨毯を再利用したい場合は、選択肢は限られるかもしれませんが、工夫次第で面白い使い方ができるはずです。
例えば大きな絨毯やキリムを使えば、古いヘッドボードを模様替えしたり、新しいヘッドボードを作ったりできます。
プロに任せた方がよいかもしれませんが、勇気があれば、ガンタッカーと木枠を使って挑戦してみてもよいかもしれません。
絨毯やキリムがヘッドボード全体を覆うほど大きくない場合は、ベッドの後ろの壁に小さなパネルを取り付けるのもよいでしょう。
絨毯やキリムは費用対効果が高いものです。
耐久性があるだけでなく、部屋全体の雰囲気を引き立ててくれる、ありとあらゆる色柄があります。
傷んでいて、使える部分があまりない絨毯やキリムを使って、クッションカバーを作ることもできます。
ひどい虫食いのあるラグや、廊下のような人通りの多い場所で頻繁に人の足で踏みつけられたラグなどです。
ただし、厚手のパイル絨毯は嵩張り、硬く、チクチクしてしまうため、クッションカバーを作るのには適していません。
一方、キリムは厚みがちょうど良く、落ち着いたアースカラーや柄が揃っているので、既存のリビングルームのインテリアに自然に溶け込みます。
クッションカバーを作る際は、両面を異なるデザインにすることでアレンジを加えることもできます。
適切なラグがない場合や、手間をかけずにこの雰囲気を真似したい場合は、古いラグを再利用したクッションカバーやキリム風の柄のクッションカバーを販売しているメーカーやブランドがたくさんあるので、それらを使うのも手です。
もしも傷んだ絨毯やキリムと生地を張り替えたい古い家具をお持ちなら、一石二鳥かもしれません。
小さなクッションと同じように、椅子の背と座を絨毯やキリムに張り替えることで、ガラリとイメージが変わります。
背と座を一緒に張り替えるのもよし、座だけを張り替えて色や柄のコントラストを加えるのもよし。
とりわけソファや椅子が無地やシンプルな生地の場合、この方法は効果的です。
あるいは、クッションだけでなく、椅子やソファ自体を絨毯やキリムで張り替えるという方法もあります。
家具全体(または少なくとも半分)を覆うのに十分な大きさのものをお持ちであれば、両方を張り替え業者に持ち込んで仕上げててもらうことが可能です。
あるいは、まだラグをお持ちでない場合は、アンティークフェアやマーケットを訪れて、ぴったりのラグを探すのもよいでしょう。
大きな傷みのある絨毯やキリムには工芸品としての価値はありませんので、それほど高いものにはならないはずです。
オットマンやフットスツールは、リビングエリアの中心となることが多く、その周りに他の家具を配置するため、その見た目は肝心です。
オットマンは、再利用したラグで全体を覆ったり、張り替えたりできます。
同様に、リビングルーム、ベッドの端、廊下などに木製のフットスツールやベンチがある場合は、古いラグを使って新しい椅子を作ることもできるでしょう。
古びた絨毯やキリムの風合いはアンティークの家具によく合い、少し現代的なデザインはモダンな家具を引き立てます。
多くのデザイナーが様々な形やサイズのオットマン、フットスツール、ベンチにこのテクニックを用いており、好評を得ています。
絨毯やキリムに張り替えたオットマンやフットスツールを別の柄の絨毯やキリムの上に置くと、その効果はさらに高まり、美しい重なり合う空間が生まれます。
古い絨毯やキリムの断片は額装することもできます。
色彩豊かな部分やユニークなデザインをアップサイクルし、新しいアート作品とするのです。
これらはカンバスなどと組み合わせて展示できますし、モダンなインテリアとの相性もよいのでお勧めです。
いずれにせよ最高の仕上がりを実現するには、専門の布張り職人に相談するのがベストです。
無駄にしてしまったのでは元も子もありません。
キリムや絨毯をカー・マットやペット用のマットとして再利用するのもお勧めです。
傷んだキリムや絨毯は様々な方法で利用することができるため、単に捨てるのではなく、新たな活用法を考えることによって資源を大切にすることができます。
アイデアを生かして、クリエイティブに再利用してみることをおすすめします。
出典:House and Garden
https://www.houseandgarden.co.uk/article/five-ways-to-use-rugs-interiors/

