アフマド・エマドの作品
天然染料によって染めあげられた茶味を帯びた赤色と澄んだ空色が美しい作品。
オーソドックスなメダリオン・コーナーのデザインですが、フィールドを取り巻く力強いイスリムと、鎌のように鋭くとがったアラベスクにエマドならではの特徴が見られます。
この大胆でシャープなデザインこそは彼の作品の持ち味であり、他との判別を可能にする鍵であるともいえましょう。
伝統に則しながらも、どこか近未来を感じさせる本作は1970年代に製作されたものと推定され、絶頂期にあったエマドの勢いが見てとれる一枚に仕上がっています。
エマドのものとしてはやや大人しめのデザインですが、フィールド外周に配された鋭利なアラベスクに彼の作品らしさが現れています。
ここでも見られる茶味を帯びた赤色と澄んだ空色はエマドならではのものながら、本作ではメイン・カラーが空色となり赤色はアクセントとしてのみ使用されていて、上の作品とは随分と違う雰囲気です。
一見普通のアフシャンに見えますが、ボーダーを持たないデザインはとてもユニーク。
おそらく1960年代に製作されたものでしょう。
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