ジャムシード・アミーニの作品
ジャムシード・アミーニのデザインをもとにテヘランで製作された絨毯。
大きなメダリオンとコーナーには鳳凰と龍とが戦う場面が描かれており、メダリオンに連なるペンダントには2匹の魚が、フィールドには様々な鳥たちがシャー・アッバスのパルメットとともに描かれています。
鳳凰と龍との戦いは正と邪との戦いを暗示したものとされ、『王書』(シャー・ナーメ)では幼少期の英雄ザールを拾って育てるシムルグに通じる鳳凰は正のシンボルとして。
一方でペルシャ神話に登場するアジ・ガハーカや、西洋のドラゴンと同一視される龍は邪のシンボルとして捉えられているようです。
中国美術の影響を受けたそれらとは異なり、ボーダーはカルトゥーシュを連続させたイスラム的なデザインで、フィールドとのバランスをうまくとっています。
1940年頃の作品。
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