ペルシャ絨毯の色選びの参考

ペルシャ絨毯の色選びの参考

ペルシャ絨毯の色選びの参考

[第 話]

ペルシャ絨毯を選ぶ際に、色は最も重要なポイントの一つになります。
ペルシャ絨毯には様々な色が使用されていますが、これらの色は部屋全体の印象を大きく左右するため、慎重かつ賢く選択したいものです。

色は部屋の雰囲気に影響を与えるだけでなく、住む人の気分にも影響を与えるため、ペルシャ絨毯を購入する際は、部屋をどのような雰囲気にしたいのかを明確にする必要があります。
落ち着いた緑色や青色のペルシャ絨毯は部屋を安らぎをもたらしますので、寝室、書斎などに最適です。
また、赤色や黄色の絨毯は、リビングルームや子供部屋を華やかにし活力を与えます。
他に茶色、水色、カーキ色、濃紺色などもペルシャ絨毯でよく使われる色です。

ペルシャ絨毯のパイルとなるウールやシルクは熟練の染色家により染色されてから、絨毯作家に引き渡されます。
化学染料が導入される前は、天然染料が使用されており、古代の人たちは、あらゆる種類の植物、昆虫や貝などから鮮やかな色を作り出しました。
中でも茜の根は赤系の強力な染料を生成するため、ウールの染色に適した人気のある原料でした。

ペルシャ絨毯の中には、いまでも天然染料が使用されているものがあります。
天然染料による染色には専門的な知識と豊富な経験が必要とされるため、化学染料による染色ほど簡単ではありません。
しかし、天然染料によって得られる色は落ち着いた中にも温かみがあり、実に味わい深いものです。
ペルシャ絨毯に使用される染料の種類は、作品の価値を決める要素の一つにもなります。

人それぞれに好みがあるのですから、ここで美のあり方を一様に定義するつもりはありません。
とはいえ、地域や国ごとに異なる色を好む傾向があることは事実です。
たとえば、欧米人の多くはナイン産のような明るい色の絨毯を好みます。
柔らかなパステルカラーのタブリーズ絨毯も人気です。
一方、カシャーンやマシャドの鮮やかな赤色のペルシャ絨毯は、イランではいまでも多くの需要があります。

それらに対し、日本では落ち着いた緑や茶色のペルシャ絨毯の人気が高いようです。
これは木造建築に畳という日本家屋の記憶によるものなのかもしれません。
欧米や中東の人々に比べると、日本人は地味で大人しい色を選ぶ傾向にあります。
「和をもって尊し」となす日本人らしい発想なのかもしれませんが、それゆえ、どの家のインテリアも似たり寄ったりになりがちです。
日本人は個性を出すのが苦手といわれますが、日本人とて十人十色なのですから、インテリアにも個性があってよいのではないでしょうか。
無理をする必要はありません。
他人の意見に囚われず、自分に正直になればよいのです。

さて、色が様々な効果をもたらすことは前述しました。
ペルシャ絨毯を上手く活用することにより、インテリアの質を上げるだけでなく、日常生活における負担を減らすすることができます。
それでは、以下にペルシャ絨毯の色選びのヒントを記します。

1. 部屋を広く見せたい

ライトカラーのペルシャ絨毯は部屋を広く見せる効果があります。
そのため比較的小さな住宅やマンションの購入者たちに好まれています。
ライトカラーのペルシャ絨毯はイランにおける最近のトレンドでもあり、ナイン、タブリーズをはじめとする様々な産地において製作されています。

2. 汚れを隠ししたい
小さな子供がいる場合やベットを飼っている場合、またはホームパーティーを頻繁に開催する場合は、絨毯が汚れる可能性が高くなります。
ペルシャ絨毯が汚れることを想定しているのなら、濃い色の作品を選ぶことをお勧めします。
たとえば、濃紺色、黒色、濃緑色、エンジ色などです。
たとえ汚れても心配することはありません。
ペルシャ絨毯、とりわけウール絨毯は専門業者がクリーニングをすることで、綺麗な状態に戻ります。

3. ゴミや埃が目立たないようにしたい
汚れを隠すこととゴミや埃を目立たなくすることは違います。
汚れはカーペットに何らかの液体または半液体をこぼすことにより、油脂が付着し繊維が濃い茶色になります。
汚れを目立たなくするには濃い色のペルシャ絨毯をお勧めしましたが、ゴミやほこりを目立たなくするために濃い色を選ぶのは逆効果になります。
ゴミやほこりを目立たないようにするためには、多色で細かい柄の絨毯を選択してください。

4. 白色や灰色の壁に合わせたい
壁が白色または灰色の場合は、色を自由に選択できます。
白色や灰色はどんな色にも合わせやすいニュートラルカラー(無彩色)です。
白色やライトグレーの壁は、濃紺色、黒色、エンジ色などの暗い色と理想的な組み合わせになります。
壁が灰色の場合は、家を大きく見せる効果のあるクリーム色やベージュ色など、明るい色の敷物を選択することをお勧めします。

5. ベージュの壁に合わせたい
ライトブルー、ターコイズ、さらにはピンクなど、柔らかく明るい色のペルシャ絨毯は、ベージュの壁によく合います。 ただし、これらの色と家具の色との相性も考えなければなりません。
インテリアを落ち着いた印象にしたい場合は、壁のベージュよりも暗い、または明るい色の家具を選ぶと、壁の色とのコントラストを生み出し、纏まった感じになります。
ペルシャ絨毯のデザインは、あまりに単調すぎるものよりも複雑なものの方がよいでしょう。

以上いろいろと述べてきましたが、ペルシャ絨毯をインテリアに採り入れる一番のメリットは、心を豊かにすることです。
上記の内容に囚われてしまい、嫌いな色の絨毯を選んでも決して心地よさは得られません。
よって、最終的には自分が好きな色を選ぶことが大切です。
ペルシャ絨毯は長く使うものですから、自身が心地よく感じる色を選ぶことで、快適な毎日を送ることができるはずです。

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