今回は絨毯商の「本音」を述べてみたいと思います。
批判される向きもあるかもしれませんが、絨毯商とて人の子。
聖人などではありません。
いくら綺麗事を言ってはいても、絨毯商であれば例外なく同じように思っているはずです。

絨毯商はプロの商人です。
絨毯を売ることで生計を立てています。
ですから商売にならない相手とは付き合いません。
この当然のことが分からない人が多いようです。
何時間も店主から話を聞いて、楽しんで、それで「さようなら」はないのです。
次からは相手にされません。
無視さえされるかもしれません。
しかし、それは客が悪いのです。
病院へ行って医師に散々相談した挙句、診察料を支払わずに帰るのと同じこと。
絨毯商は売るために高い家賃を支払いながら店を構えているのであって、話し相手をするためにそうしている訳ではありません。
その辺りをしっかりと頭に入れておいてください。

それがしっかり認識できていれば大丈夫です。
１万円でも２万円でもよいので気に入ったものがあれば購入することが、業者とよい関係を作るささやさな気配りでしょう。

ペルシャ絨毯のベテランにペルシャ絨毯で楽しむ秘訣を聞くと、それは「買うこと」という答えが返ってきます。
買うことが一番大事なのです。
買うことで物を本当に理解するし、お金を払うことで真剣になります。
それが知識を身に付ける秘訣です。

ましてや贋作を買ってしまったら、金額の如何を問わず反省と悔いが残ります。
しかし、それが次の糧となるのです。
それなくしてペルシャ絨毯に上達はあり得ません。
とにかく、しっかり買う練習をしてください。