エンシまたはエンシ ラグは、伝統的なトルクメン遊牧民のテントであるパオのドア カーテンとして用いられるものです。
テントの出入り口を覆うエンシは、冬と夏の極端な寒さから内部の温度を保つために作られたと考えられています。
また、特別な行事や宗教行事でのみ使用される儀式用のラグとしてエンシを扱うことを提案する別の意見もあります。

エンシは、デザインと図像の面で複雑な種類のトルクメン ラグであると考えられています。
ここでは、カーペットの中央に、小さな幾何学的要素で満たされた 2 本の幅広いストライプの十字形の構成があります。
中央の「十字」といくつかの縁取りのストライプで形成された4つの長方形の領域にも、様々な種類の小さな鈎のモチーフが埋め込まれています。
中央の領域の上には、テントまたはミフラーブの様式化された画像があります。

カーペットのデザインは「ハッチリ」として知られ、トルクメンの主要部族の 1 つであるテッケ族に典型的です。
民族学研究によると、中央の十字のような模様は川や運河の概念と関連しており、羊や牛、水などのさまざまな小さな要素は遊牧民の生活の主な資源を構成しています。
カーペットの背景は濃いルビー色で、模様の他の色には明るい赤、濃い青、茶色、象牙色の白などがあります。

トルクメンの織工の織物は、その深みのある豊かな色彩と力強いデザインで賞賛されており、荒涼とした劇的な美しさと絶対的な機能性を兼ね備えています。
トルクメンの部族は季節ごとに移動するため、所有物はすべて、家屋さえも、折りたたんで持ち運びできるものでなければなりません。
この大きな、結び目のあるパイルの織物は、ほとんどの点でカーペットに似ていますが、トルクメンのテントの入り口を覆うために使われていたようです。

エンシと呼ばれるこのようなテントのドアのカーテンは、厚く、結び目が密集しており、家族を外の要素から守るだけでなく、柔らかいカーペット、クッション、荷物を詰めた収納バッグですでにいっぱいの室内空間に、さらに彩りと快適さを加えました。