ペルシャ絨毯の偽物を買ってしまったらどうするか

ペルシャ絨毯の偽物を買ってしまったらどうするか

ペルシャ絨毯の偽物を買ってしまったらどうするか

[要3分]

以前、東京都内で開催された某美術オークションで、クム産のシルク絨毯をコピーした、レーヨン製の機械織絨毯が160万円で落札されました。
もちろん、この絨毯は本物のクム産のシルク絨毯として出品されていました。
サザビーズやクリスティーズなど、海外の一流オークション会社には絨毯専門の鑑定人がいますが、日本で開催されるオークションについてはそうしたプロの目利きはいないのが現実です。

残念ながら、ほとんどのペルシャ絨毯の偽物には、落札者が支払った金額を遥かに下回る価値しかありません。
冒頭で取りあげたレーヨン製の機械織絨毯は、百貨店でも30万円ほどで販売されているものでした。
オークションは美術品や工芸品の愛好家にとっては魅力的かもしれませんが、大きなリスクを伴うことを知っておかなければなりません。
ましてや高額品ともなれば、なおさらです。
たしかにオークションでは相場よりも安く購入できることもあるでしょう。
しかし、偽物を掴まされる可能性も同じぐらいあるということを忘れてはなりません。
サザビーズやクリスティーズのように専門の鑑定人がいるなら話は別ですが、わが国で開催されている美術オークションやネットオークションではペルシャ絨毯専門の鑑定人などはいないのです。

それは悪意のある出品者にとっては実に都合のよい販路であるということでもあります。
オークションでは商品に関する情報が簡単に改ざんされてしまいます。
ペルシャ絨毯専門の鑑定人がいないオークションに偽物や傷物を出品するのは、先生がいない教室でテストを受けるようなもので、カンニングのし放題、つまり嘘のつき放題がまかり通ってしまうということです。
○○の旧蔵品であったとか、○○万円で購入しただとか、購買意欲をそそる文句が並んでいますが、それらのほとんどは出品者がでっちあげたものです。
美味い話には裏があるのが世の常なのです。
オークションに参加する前にオークションの信頼性と、出品される商品の本当の価値について調べておかなければなりません。

ホテルなど、一時的に借りられた会場でオークションが開催される場合、オークションの終了後は出品者に連絡する手段がありません。
返金を求められる前に商品を梱包して次の町に移動できれば、人を騙すのがずっと容易くなります。
何かトラブルがあった場合、オークションの主催者は出品者に対して苦情を申し立てます。
しかし、オークションが終了すると、詐欺師は姿を消してしまうことが多いのです。

現物を確認できる美術オークションならまだよいのですが、写真でしか商品を見ることができないネットオークションは、さらに危険です。
いまは写真だけではプロでも判別できないほど精巧に作られたペルシャ絨毯のコピー品が出回っているのです。
わが国で最も知名度のある某ネットオークションを見たところ、こうしたコピー品が「ペルシャ絨毯」「手織」「シルク」「百貨店展示品」などとしてたくさん出品されていました。
もちろん、すべてが嘘です。

それではオークションでペルシャ絨毯を購入し、その絨毯が偽物であることが判明した場合、どうしたらよいのでしょうか。 被害に遭った際には、まず返品の交渉をします。
メール、電話(自宅の電話)等のあらゆる手段で連絡を取り、返品、代金の返還、正規品との交換等を督促してください。
その際、やりとりしたメール、オークションページ、代金の振込みの控え等の証拠を保管しておくことが必要です。

それでも返品に応じない場合は、オークション事業者、消費生活センター、弁護士などに相談してください。
詐欺などの被害を受けた場合には、最寄りの警察署又は都道府県警察サイバー犯罪相談窓口に相談してください。
ただし、海外の場合は取り締まれないこと、まずは消費者自らが返金交渉することといった要因から、即対応されないケースもあります。

オークションでペルシャ絨毯を購入することを検討している場合は、十分な調査を行った上で信頼できる場所からのみ購入する必要があります。
それでも、偽物を掴まされないという保証はないのです。

それでは専門店なら安心かというと、そういう訳でもありません。
さすがに機械織や他の国で製作された絨毯をペルシャ絨毯として販売することはないと思いますが、マラゲ産をクム産と偽ったり、偽の銘が後付けされた絨毯を本物として販売している専門店はいくつもあります。
事実、ペルシャ絨毯の専門店のサイトには、そうした商品が所狭しと並んでいます。
九州のとある県でカシャーン・シルクとして購入した絨毯が実はマラゲ産で、訴訟にまで発展したという話も聞いています。
もし、専門店で偽物を買ってしまった場合は、まず購入した店舗に返品・交換を要求することです。
購入した店舗に直接持ち込み、偽物であることを伝えて返品や交換を要求しましょう。
店舗によっては、返金や正規品との交換を受け入れてくれることもあります。
それでも駄目なら消費者センターや消費者ホットラインに相談します。
偽物を販売している店舗に対して消費者センターや消費者ホットラインに相談することで、適切なアドバイスや対処方法を得ることができます。
法的手段を検討する法的手段を検討することも必要になるかもしれません。
偽造品を販売する行為は法律違反となることがあり、消費者の権利を守るために法的措置を取ることも考えられます。
偽物を買ってしまった際は、冷静に対処し、自身の権利を守るために適切な対処を行うことが重要です。

購入してしまった偽物をネットオークションやフリマサイトに出品するのはやめた方がよいです。
偽物であることを知りながら販売すれば、商標権を直接侵害する行為に当たり、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方を科せられます(商標法78条)。
相手に本物だと偽って販売すれば、詐欺罪になります(刑法246条)。
詐欺罪の場合は、10年以下の懲役刑で、罰金刑はありませんから、より重い罪です。

ペルシャ絨毯を購入する際には、何よりも返品と正規品保証を提供する信頼できるペルシャ絨毯専門店から購入することをお勧めします。

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