商品情報

⚫︎銘こそありませんが、イラム絨毯はICC（イラン絨毯会社）の工房でしか製作されていないので、ICCが製作したものに間違いありません。
ICCの作品には銘が入っているものと入っていないものがあります。
これについて前ICC総裁のモハンマド・アリー・キャリミ氏に尋ねたことがありますが、特に基準はなく織師次第とのことでした。
ICCのイラム絨毯は縦糸にシルクを使用し、一般的なイスファハン絨毯と同じノット数で製作されています。
イスファハン絨毯よりも生産数は圧倒的に少なく貴重です。
イスファハン絨毯に多いジュフティ結び（2本ではなく4本の縦糸にパイルを絡める手抜きの技法）もいっさい使われていません。
デザインはタブリーズとイスファハンの影響が見てとれますが、ICCではすべての産地のデザインをテヘランにあるデザイン室で行っています。 パイルには春先に採取された良質なウールのみが使用されており、染色には天然染料が用いられています。

⚫︎イラムはイラン中西部、イラクと国境を接するイラム州の州都です。
イラクに近いためイラン・イラク戦争ではイラク軍の猛爆撃を受け、町の産業は壊滅しました。
前後、復興に向けてICC（イラン絨毯会社）主導のもと絨毯産業が興り、ごく短期間のうちにイスファハンとほぼ同レベルのペルシャ絨毯を産出するまでになります。
ただし産業の規模は極めて小さく、ICCの工房があるだけです。
ペルシャ絨毯の産地としては新興ゆえ、かつてのクム同様、他産地のデザインに倣った絨毯を製作しています。
初期の作品はカシャーン絨毯に倣ったものが多かったのですが、最近はタブリーズ絨毯の影響が強いようです。
イラム絨毯はICCが製作するペルシャ絨毯の中でも、トップクラスの品質を備えています。

⚫︎普段の手入れは週に1度、パイルの流れに沿って軽く掃除機をかけるか箒（ほうき）で掃いてください。
ロボット掃除機はフリンジを傷めてしまうため、使用を控えるかフリンジを絨毯の内側に織り込んでから起動させるようにしてください。
何かをこぼした場合はスプーンなどを用いて掬い取り、その後、水で濡らして固く絞ったタオルなどで汚れを除去します。
水で薄めた中性洗剤なら使用しても構いませんが、できるだけ擦らないようにしてください。
乾いたタオルなどで水分をしっかりと拭い取ってから、ドライヤーで乾燥させます。
クリーニングは10年に1度、必ず手織絨毯専門のクリーニング業者に依頼してください。
自分で洗ってしまうと、絨毯に修復不可能なダメージを与える可能性があります。
保管する際には防虫剤をお忘れなく。

⚫︎その他ご不明な点があれば遠慮なくお問い合わせください（お問い合わせの際には、必ず品番をお伝えくださいますようお願いします）。