イラン戦争が長期化するとペルシャ絨毯の流通はどうなるのか?
[画像:革命防衛隊の攻撃を受けたタイの貨物船]
2月28日に米国・イスラエルがイランに大規模攻撃を開始し、ハメネイ最高指導者が暗殺された後、イランは報復攻撃とホルムズ海峡の事実上封鎖を実施しました。
トランプ米大統領は当初「4〜5週間」の作戦継続を想定し、地上部隊派遣も排除せず、無条件降伏や核開発放棄を条件に挙げています。
現在、攻撃開始から約2週間が経過し、戦闘は進行中です。
イラン戦争は長期化する可能性が高いと複数の分析で指摘されていますが、確定的な結論は出ていません。
戦争が長期化する要因としては、まずイランの抵抗強化が考えられます。
革命防衛隊(IRGC)が権力を掌握する可能性が高く、米軍基地や湾岸諸国への報復、ホルムズ海峡封鎖で対抗。米情報機関もイラン権力構造の崩壊は困難と推察されます。
また米側の戦略的不透明もあります。
トランプ政権の場当たり的対応が混乱を助長し、中東情勢の不透明化を招くかもしれません。
また経済・地政学的影響では、原油価格高騰や制裁強化がイランを弱体化させる一方、長期化でイランが地域影響力を維持する戦略を取る可能性も示唆されています。
専門家は革命防衛隊の経済ネットワークが体制を支え、政治不安定化が進む場合に長期化リスクが高まると分析しています。
ただし、イラン側の戦略が自滅を招くとの指摘もあり、情勢は流動的です。
イラン戦争が長期化した場合、ペルシャ絨毯の輸入は大幅に減少・停滞することが予想されます。
戦争の長期化に伴い、生産停止、輸送網の寸断、価格高騰などの要因により、イランのペルシャ絨毯輸出は著しく制約されるでしょう。
これにより、国際市場におけるイランのペルシャ絨毯の市場シェアは更に縮小すると考えられます。
現在のイランは既に深刻な経済危機に直面しています。
経済制裁とインフレが国民の購買力を低下させており、食料品の価格は前年同期比で約80%上昇しています。
こうした経済的困難は、ペルシャ絨毯の職人を含むすべてのイラン国民の生活に深刻な影響を与えています。
戦争が続けば、生産体制の維持が困難になるだけでなく、国際的な物流の障害も生じます。
これに加えて、イランの主要な収入源である原油輸出が制限されている現状は、国家財政をさらに悪化させ、絨毯産業への投資や支援を一層困難にするのは間違いありません。
イラン戦争が長期化し、ペルシャ絨毯の輸入が停滞する場合、日本の市場にいくつかの影響が考えられます。
まず価格の上昇です。
ペルシャ絨毯の供給が減少することで、需給バランスが崩れ、既存の在庫が高騰する可能性があります。
その結果、販売価格が上昇し、消費者の購買意欲が減少するかもしれません。
次に代替品の需要増加です。
輸入が停滞することにより、他国の絨毯の需要が高まるかもしれません。
つまりイラン以外の国で製作された手織絨毯が代替として選ばれる可能性があります。
小売業者は新たな商品を模索し、トルコやインドなどの絨毯を取り入れることで、市場の多様化を図るかもしれません。
輸入停滞による影響は消費者市場だけでなく、小売業者にも波及し、日本市場は変化を余儀なくされるでしょう。
また、ペルシャ絨毯はその装飾的および文化的価値が高いため、その供給不足が続くと、消費者の文化的選択肢が限られることも懸念されます。
一日も早いイラン戦争の終結を願うばかりです。
イラン革命防衛隊
イラン革命防衛隊(IRGC:Islamic Revolutionary Guard Corps)は、1979年のイラン革命後に設立されたイランの武装組織です。
通常の軍隊(イラン陸軍)とは別に存在し、イランの国体と革命理念を守るための役割を果たしています。
主な任務には、内部の安全保障(政府に対する反抗勢力やテロ活動に対する取り締まり)、外部の防衛(イランの国境を侵害から守る役割)、地域的影響力の拡大(シリアやイラク、レバノンなどで地域的な影響力を強化するために、非正規軍や民兵組織に対する支援)などがあります。
経済活動にも関与しており、特に石油や建設業などで広範なビジネスネットワークを持っています。

