アンティーク家具にはペルシャ絨毯

アンティーク家具にはペルシャ絨毯

アンティーク家具にはペルシャ絨毯

[第 話]

アンティーク家具とは、年代物の、とりわけ100年以上前に製作された家具のことをいいます。
アンティーク家具は、製作された時代のトレンドを反映しており、ビクトリアン、エドワーディアン、ジョージアン、ルイ15世スタイル、ルイ16世スタイルなど、様々な時代に沿ったスタイルがあります。
それらには一般的に豪華な装飾、緻密な彫刻、上質な材料が用いられていて、アンティーク愛好家はもとより、手作りの雰囲気を好む人たちにも人気です。

アンティーク家具は、そのエレガントなスタイルに加えて歴史的な価値をも包含しており、それぞれの家具には、それが作られた時代の社会的、文化的背景を垣間見ることができます。
今日では見られないデザインや入手不可能な素材、当時ならではの職人の優れた技術が用いられているのも魅力です。
経年により劣化していることもありますが、修復を施すことで、使用に耐えられる状態に蘇ります。

アンティーク家具にはマホガニー、ウォルナット、オークなどの高級木材が使用されており、手間暇をかけて彫刻や象嵌装飾が施されているものが多く見られます。
そんなアンティーク家具に、複雑なデザインや豊かな色彩を持つペルシャ絨毯は、とてもよく合います。
その組み合わせは部屋をドラマチックに飾り、映画のワンシーンさえ想像させてくれるのです。
ペルシャ絨毯はアンティーク家具を引き立てるための美しい「フレーム」の役割を果たします。

ただし、アンティーク家具とペルシャ絨毯を組み合わせる際には、色調、パターン、スタイルなどが互いに調和していることを確かめる必要があります。
例えば、ペルシャ絨毯でもモダン・ギャッベのようなカジュアルなものはドレッシーなアンティーク家具には合いません。
それは現代の家具についても言えることです。

さて、アンティーク家具にペルシャ絨毯を合わせる場合には次の点に配慮する必要があります。
まず、アンティーク家具とペルシャ絨毯の色を調和させることが重要です。
家具が深い色調の場合、明るめな色の絨毯を選びます。
逆に、家具が明るい色調の場合は、暗めな色の絨毯がよいでしょう。
またペルシャ絨毯は複雑なデザインとパターンを持っているものが多いため、家具のデザインがシンプルな場合、複雑なデザインのペルシャ絨毯がよい選択になります。
逆に、家具が装飾的な場合は、パターンが少ない絨毯を選びます。

前述したようにアンティーク家具には様々なスタイルがあります。
ペルシャ絨毯もまた様々なスタイルとパターンがありますので、お互いのスタイルを考慮に入れることが大切です。
これらのポイントを考慮に入れて選ぶことで趣のあるノスタルジックな空間を作ることができますが、同じアンティークのペルシャ絨毯を敷くと組み合わせは完璧なものとなります。
とはいえ状態のよいアンティークのペルシャ絨毯は高価な上、手入れが難しいので、価格的にも安く、扱いやすいセミアンテークやオールドのものでも構いません。

ペルシャ絨毯の中にはアンティーク好きの欧米人向けにケミカル・ウォッシュという技法を用いて古色をつけたものがあります。
しかし、これはあまりお勧めできません。
ケミカルウォッシュは苛性ソーダを用いて強制的に絨毯の表面を黄色くなるようにするものですが、経年により自然に色が変わるのと違い、不自然な感じに仕上がってしまうからです。
人工的に古色を付けるには茶色や黄色の染料で再染色する方法がありますが、こちらもケミカルウォッシュ同様にお勧めすることはできません。

アンティークのペルシャ絨毯は、その希少性から、インテリアアイテムとしてだけでなく、投資やコレクションの対象ともなります。
ただし、アンティークのペルシャ絨毯は適切なケアが必要であり、クリーニングや修理は専門家に任せることが必須です。
これらの要素を考慮に入れつつ、アンティーク家具に調和するペルシャ絨毯を選ぶとよいでしょう。

お問い合わせ・来店予約

お問合せ・来店予約は
お電話もしくはメールフォームにてお受けしています。
お気軽にご連絡ください。