ペルシャ絨毯をタペストリーにする利点
[第 話]
ペルシャ絨毯は、通常は床に敷くために使われます。
しかし、ペルシャ絨毯の用途はそれだけにとどまりません。
自宅やオフィスの壁に絵画の代わりにペルシャ絨毯を掛けることで、また違った体験ができるのです。
ペルシャ絨毯のデザインは、クラシック、モダン、ボヘミアンなど、様々なスタイルのインテリアとコーディネートが可能です。
結果、どのようなインテリアも魅力的にしてくれます。
ペルシャ絨毯をタペストリーにする方法については以前、本ブログで紹介しましたが、今回はペルシャ絨毯をタペストリーにする利点について述べてみたいと思います。
ペルシャ絨毯をタペストリーにする利点は、吸音効果を生み出すことです。
ペルシャ絨毯のパイルに使用されるのはウールかシルクですが、とりわけウールは、より音を吸収する性質があります。
これにより、家庭や職場で発生する音を低減させることができます。
たとえば大きな声で会話したり、音量を上げてオーディオやテレビを楽しむこともできます。
ペルシャ絨毯を購入する際には、シルクとウールの特性の違いを理解しておくことが必要です。
また住宅の増加や壁の薄化に伴い、他の住戸内でも近隣住民の声が聞こえることが多くなってきています。
このような壁にペルシャ絨毯をタペストリーにすることは、防音と同様に、この問題を部分的に解決することができます。
更にペルシャ絨毯をタペストリーとして使用すると、冬には断熱効果も期待できます。
この作用により室内の熱の放出を防ぐことができます。
ウールは革のような保温性を持ちながらも、壁からの冷気の侵入をも防いでくれるのです。
このため、ロシアなどの寒い地域では、絨毯が壁掛けとしてよく使用されています。
これは、壁が外に面していて、寒さの影響を受けやすい場所に特に当てはまります。
とりわけ暖色系のペルシャ絨毯は、視覚的にも暖かな雰囲気で家庭やオフィスを包んでくれます。
ここで取り上げたペルシャ絨毯については、高価なものだけに限定している訳ではありません。
ペルシャ絨毯の中には、農民や部族民が製作したものがたくさんあります。
これらの絨毯は安価ではあっても同じ効果を生み出します。
そもそも絨毯をタペストリーにし始めたのは、北部に暮らす遊牧民たちでした。
彼らはテント内に絨毯を吊るすことにより、冬の厳しい寒さから身を守っていたのです。
絵画には、安価なものから何億円もするものまであります。
これには画家の知名度や描かれた時代、現存数などの基準はあっても、物質としての価値の基準はありません。
素人が描いた絵であってもピカソが描いた絵であっても、キャンバスに絵具で描かれているのは同じです。
しかし、ペルシャ絨毯にはノット数や染料の種類など、それを作るのに費やした時間に基づく明確な物質的基準があります。
これは絵画と違って、とても分かりやすいものです。
結果として壁にペルシャ絨毯を掛けることにより、芸術的な効果がより明らかになります。
その物質的価値は時間が経過しても失われることはありません。
絨毯をタペストリーにした例。