アフマドハーン・シャーロキの作品
『ペルシャ絨毯文様事典』(1998年、柏書房)に掲載されている作品。
本書にはアフマドハーンの作品との説明はありませんが、そのデザインは明らかに彼の手によるものです。
大小様々なペイズリーは意志を持つかの如く複雑に絡み合い、サイケデリックを思わせる幻想の世界を現出しています。
ややもすると乱雑な印象になりかねないこうしたデザインを、絶妙なバランスをもって違和感なく表現できるのは、アフマドハーンの非凡なる才能あってのものでしょう。
1900年頃のものと推定されるアンティーク絨毯の逸品です。
アフマドハーンが描いた意匠図の一つ。
完全な形ではありませんが、意匠化された花々が複雑に絡み合うデザインには上の作品との共通点が見てとれます。
ボーダーもまた上の作品に類似したもので、これらを見比べることにより彼の作品の骨子はある程度理解できることでしょう。
アフマドハーンの意匠図の多くは彼の死後、息子のホセインハーンによって処分されたため、その全容を知ることができないのは実に残念なことです。