アジムザデのプロデュースにより製作された驚くほどに巨大なタブリーズ絨毯です。
2019年8月に開催されたタブリーズ市手織り絨毯展示会の会場にて公開された本作は、ペアで製作されたものの一枚で、一片が20メートルの正方形。
素材の8割に絹、2割に毛と木綿が用いられており、重量は3トンにも及びます。
デザインはアジムザデ自身が行い、87色の色糸が使用されました。
別に縦30メートル、横20メートルの同デザインの絨毯がペアで製作されており、4枚を合わせた面積は2000平方メートルに至ります。
この4枚の作品は60ラジの緻密さで製作されており、総勢230人の棟梁と織師が二交代制で7年の歳月をかけて行いました。
総面積は過去にICC（イラン絨毯公社）が製作した3枚の絨毯に及びませんが、ICCの作品は別々に製作した複数のパーツを縫い合わせてあるため、1枚の絨毯としてはトルクメニスタンの絨毯博物館に収蔵されている縦21.2メートル、横14メートルのテッケ絨毯を抜き、世界最大となります。

メダリオン付近の拡大画像。
ワイン・レッドの地にゴル・ファランギ文様を多用した優美で女性的なデザインです。
文様部分には色とりどりに染色された絹糸が使用されています。
写っている人物はアジムザデ。

ボーダー付近の拡大画像。
深い紺色のボーダーにも写実的に織り出された花々が配置されています。
躍動感に満ちた生き生きとした描写に、作品に注いだアジムザデの情熱が見てとれます。
本作と同時に製作された同文様の絨毯は、世界最大の絨毯としてギネス登録されました。