ペルシャ絨毯を保管する際に注意すること

ペルシャ絨毯を保管する際に注意すること

ペルシャ絨毯を保管する際に注意すること

[第 話]

ペルシャ絨毯をお持ちの方なら誰しもが、床に敷くなりタペストリーにするなりして、インテリアに生かしたいと考えることでしょう。
しかし暫くの間、納戸や倉庫に保管しなければならないことが起こり得るかもしれません。
例えば海外赴任で何年か日本を離れることになり、ペルシャ絨毯を放置したまま埃を被せたくない場合もあるでしょう。
あるいは家の建て替えのため、一時的に小さなアパートに引っ越したところ、これまで使用していたペルシャ絨毯が、どの部屋にも大きすぎるといった場合もあるかもしれません。
そんなときには、ペルシャ絨毯をどこか安全な場所に保管しておく必要があります。

保管中のペルシャ絨毯を健全な状態に保つには、空気の循環が不可欠です。
湿気やカビから守るために、空気の流れがある場所にペルシャ絨毯を保管する必要があります。
保管庫や地下室を使用する場合は、その空間の換気が為され、温度を一定に保てることを確認しなければなりません。

またイガやカツオブシムシなどの害虫は、ペルシャ絨毯に大きな損傷を与える可能性があります。
ウールやシルクなどの天然繊維で作られたペルシャ絨毯は、害虫の餌食になりやすいからです。
これらの害虫を放置すると、絨毯に穴が開いたり、端がほつれたり、変色したりする可能性があります。

適切な手入れと保管により、ペルシャ絨毯はその美しさと価値を何年も保つことができます。
考慮すべき重要な要素をカバーし、段階的な準備プロセスを提供し、保管する際にためのヒントを提供することで、ペルシャ絨毯の保管方法をガイドします。

1. ペルシャ絨毯を掃除する
ペルシャ絨毯を保管する前に、必ず絨毯を掃除してください。
害虫を引き寄せる可能性のある汚れや埃の堆積を徹底的に除去することが大切です。
清潔な絨毯は、害虫による被害を受ける可能性が低くなります。
全体に掃除機をかけ、ゴミや埃を取り除き、害虫を引き寄せる原因となる食べこぼしや飲みこぼしを取り除きます。
ペルシャ絨毯のサイズに関わらず自分で洗うのは避け、専門業者にクリーニングしてもらってください。

2. ペルシャ絨毯をしっかりと均等に巻く
ペルシャ絨毯を長期間保管するには、筒状に丸めることをお勧めします。
絨毯が完全に乾いていることを確認したら、絨毯を平らな場所に置き、端から端までしっかりと巻きます。
絨毯が大きすぎる場合は、丸める前に半分に折り畳んでください。
丸める際はできるだけきつく巻きます。
巻いたあとで紐を掛けると形が崩れません。

3. ペルシャ絨毯を包む
ペルシャ絨毯を筒状に丸めたら、汚れや埃を防ぐために不織布や紙で包みます。
不織布は通気性に加えて耐久性もあり、なおかつ安価なので最適です。
不織布はラッピング用品店やamazonなどで購入することができます。
短期間の保管であれば紙でもかまいませんが、新聞紙や印刷された紙は、インクに含まれている酸が絨毯を傷める原因となるため、使用しないでください。
また、絨毯をビニールで包むと結露が発生し、カビの原因になることがあります。
包み終えたら隙間をテープで塞ぎます。
これは汚れや埃だけでなく、害虫の侵入を防ぐためです。
包装したペルシャ絨毯は床から湿気が浸入するのを防ぐために、床よりめ高い位置に置くことをお勧めします。

4. 防虫剤を使用する
ペルシャ絨毯を保管する際には、害虫の侵入を防ぐ対策を講じなければなりません。
防虫剤はペルシャ絨毯を保管する際に不可欠なものです。
防虫剤の種類によっては保管場所から取り出した後、絨毯に臭いが残る場合があります。
臭いが残らない防虫剤も販売されていますので、それらを使用するのがよいでしょう。
知っておかなこればならないのは防虫剤の成分は空気よりも重いため、下へ向かって流れてゆくということです。
防虫剤は必ず絨毯の上に置くようにしましょう。

5. 乾燥した通気のよい場所に保管する
害虫の侵入を防ぐには、乾燥した通気のよい場所にペルシャ絨毯を保管することが大切です。
通気が悪く湿気が篭る場所は害虫の温床となる可能性があります。
ウォークインクローゼットは極端な温度変動が起こりにくい上、通気がよいので理想的です。
屋根裏は夏には高温になりやすいため、ペルシャ絨毯を保管するのに適した場所とはいえません。
温度管理と換気のできる屋根裏にのみ保管してください。

6. 重いものを載せないようにする
ペルシャ絨毯を保管するときは平らな場所に置き、上に重いものを載せないでください。
重いものを載せてしまうと、絨毯が潰れたり、歪みが生じたり、繊維が損傷したりして、外観に影響を与えることがあります。

7. 定期的に確認する
ペルシャ絨毯を長期間保管する場合は、定期的に確認し、必要に応じて開封する必要があります。
半年ごとに保管場所から取り出し、直射日光の当たる場所に一日置くことをお勧めします。
絨毯を乾燥させることによりカビの発生を防ぎ、清潔な状態に保ちます。

ペルシャ絨毯の美しさと価値を維持するために、保管の際には、7つの作業を必ず実行してください。
これらは、まったく難しいことではありません。
「転ばぬ先の杖」「後悔先に立たず」といった先人たちの教えこそは真理なのです。

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