2023年4月、イスファハン近くの古墳から古代のペルシャ絨毯が発見されたとの報道がありました。
この絨毯は約1400年前のもので、遊牧民が製作したものと推測されているそうです。
発見後、研究者たちはその由来に関する手がかりを求めて綿密な調査を行ってきました。

放射性炭素年代測定の結果、この絨毯は西暦800年頃のものであり、当時アッバス朝の支配下にあったイランで製作された可能性が高いことが分かったといいます。
これは遊牧民が移動の途中でイランを通過したか、あるいは暫く居住していた可能性があることを示唆しています。
イラン国内で見つかった古代の絨毯としては、1967年に北東部のダムガン近くにあるコムスで、ササン朝期のペルシャ絨毯の断片が出土しているだけで、このたびの発見はそれに次ぐ歴史的発見になりました。

研究者らは、これを製作した遊牧民の文化や生活について、何らかの情報が得られる可能性があると期待しているようです。
このたび発見された絨毯はまだ公開されていませんが、これまでに見られなかった独特の文様と色を有しているとのこと。
複雑な文様には象徴的な意味があるようです。
しかし、それが何であるかはまだ分かっていません。
研究者の多くは、この文様が古代の宗教儀式に関連している可能性があるとしています。
また、文様は何かしらの物語を表すもので、部族の歴史や信仰に関する手がかりが含まれているのではないかと考える者もいます。

それはさておき、この貴重な発見は研究者たちや歴史家たちを大いに興奮させました。
由来についてはまだ謎のベールに包まれたままですが、今後の研究によって驚くべき過去が明らかになるかもしれません。
それまでの間、私たちはペルシャ絨毯の悠久の歴史に想いを馳せることにしましょう。