ペルシャ絨毯を愛した有名人たち

ペルシャ絨毯を愛した有名人たち

ペルシャ絨毯を愛した有名人たち

[第 話]

以前、女優の高畑充希さんがペルシャ絨毯の愛好家であることが話題になりました。
弊社でもこれまで幾人かの著名人の方からお買上をいただきましたが、個人情報保護の都合上、お名前を明かすことは出来ません。
わが国にはペルシャ絨毯を愛好している有名人がたくさんいるのは紛れもない事実です。

それは海外においても同じですが、欧米のコレクターたちは名実ともにレベルが違います。
実業家や政治家から映画スターに至るまで、「超」が付く有名人ばかりです。
それらの中からペルシャ絨毯をはじめとするオリエント絨毯やトライバルラグの愛好家、コレクターとしても知られている人物たちを紹介します。

1. ジークムント・フロイト(1856〜1939年)
ジークムント・フロイトはオーストリアの心理学者、精神科医で、精神分析学の創設者として知られています。
彼は、患者の無意識の心理過程や幼児期の経験が個人の行動や精神状態に影響を与えると考え、その理論を発展させました。
フロイトの理論は、その後の心理学や精神医学に大きな影響を与え、現代の心理療法の基盤となっています。
彼はまた、熱心な絨毯コレクターでもありました。
彼のアンティーク絨毯のコレクションは、ヨーロッパに存在することが知られている中で最も優れた個人コレクションの 1 つでした。
フロイトは敷物を隠しませんでしたが、そのいくつかを書斎や図書館に展示し、一部を床や家具の覆いとして使用していました。
特に診察室の床にはセラピ絨毯が敷かれ、患者が秘密を打ち明けたときに休むソファにはカシュガイ絨毯が掛けられていたことはよく知られています。
フロイトの驚くべきコレクションの敷物の多くは、ロンドンのフロイト博物館で展示されています。
この博物館は、ナチスから逃れるためにイギリスに逃れたフロイト一家が住んでいた家の中にあります。
フロイトの図書館と書斎は、彼が生前保管していたものとまったく同じ状態で保存されており、見事な絨毯も展示されています。

2. ジョージ・ヴァンダービルト(1862〜1914年)
ジョージ・ヴァンダービルト(ジョージ・ワシントン・ヴァンダービルト2世)はアメリカの資産家。
ヴァンダービルト家の相続人の1人で、鉄道王コーネリアス・ヴァンダービルトの孫に当たります。
アメリカで最も巨大な個人邸宅であり、「金ぴか時代」のアメリカの象徴とされるノースカロライナ州のビルトモア・ハウス及びビルトモア・エステートを建設したことで知られます。
彼は10年間で458枚の絨毯を購入しました。
もちろん、その中には250室を有するビルトモア・ハウス用のものも含まれます。

3. デビッド・ロックフェラー(1915〜2017年)
デビッド・ロックフェラーはアメリカの銀行家、事業家。
ロックフェラー家第3代当主で、チェース・マンハッタン・コーポレーションの会長兼CEO(最高経営責任者)を務めました。
19世紀のバクシャイシュ産を含む、アンティーク絨毯を収集していたデビッド・ロックフェラーとペギー・ロックフェラー(右)などがいます。

4. ヘンリー・キッシンジャー(1923〜2023年)
ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャーはアメリカの政治家、国際政治学者。
ニクソン政権およびフォード政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官、国務長官を務め、1970年代のアメリカの外交政策に大きな影響を与えました。
東西冷戦で対立していたソビエト連邦とデタント(緊張緩和)を推進しつつ、ソ連と対立していた中華人民共和国との国交樹立を極秘で交渉。
1972年のニクソン大統領の中国訪問と米中関係正常化に道筋をつけました。
ベトナム戦争からの米国撤退を決めた1973年のパリ和平協定でノーベル平和賞を同年受賞しています。
キッシンジャーは優秀な政治家であったとともにアンティーク絨毯の目利きでもありました。
彼のオリエンタル絨毯購入への愛は、ウォルター・アイザックソンによって 2005 年に出版された『Kissinger: A Biography』に記されています。

5. ウルスラ・アンドレス(1936年〜)
ウルスラ・アンドレスはスイス出身の映画女優です。
イタリアで何本かの低予算映画に出演した後、ハリウッドへ招かれ、グラマーなスタイルと美貌を買われて1962年に『007は殺しの番号』で初代ボンドガールのハニー・ライダー役に抜擢されました。
その後『007 カジノロワイヤル』『レッド・サン』『タイタンの戦い』などに出演。
ドイツ語、イタリア語、フランス語、英語の4カ国語を操り、ハリウッドだけでなく『カトマンズの男』『サファリ特急』などのヨーロッパ映画にも多数出演しています。
2003 年、アンドレスは『サウスイースタン・アンティーク・アンド・コレクティング・マガジン』に、アンティーク絨毯を含む骨董品の収集に対する情熱について語りました。

6. ハワード・ヘスマン(1940〜2022年)
ハワード・ヘスマンはアメリカの俳優です。
1968年のシチュエーション・コメディ・シリーズの『メイベリー110番』への出演で人気に火が付き始め、その後は映画、テレビドラマを問わず様々な作品へ出演して俳優としての地位を確固たるものにしました。
1985年に公開された『ポリスアカデミー2 全員出動!』では、ジョージ・ゲインズ演じるラサール校長の弟で、スティーヴ・グッテンバーグ演じる新米警官たちを受け入れる警察署長を演じています。
近年ではジャック・ニコルソン主演の『アバウト・シュミット』やサンドラ・ブロック主演の『ウルトラ I LOVE YOU!』などへも出演しました。
他の出演作には『素敵な遺産相続』『アバウト・シュミット』『グリッドロック』『ナビゲイター』『プライベイトレッスン』などがあります。
彼は熱心なコレクターで、1979年11月のピープル誌のインタビューでは、自らをオリエント絨毯を含む様々なテキスタイルを収集する「スレッドヘッド」と表現しました。
そのコレクションは膨大な数にのぼるようです。

7. クリスチャン・ラクロワ(1951年〜)
クリスチャン・ラクロワはフランスのファッションデザイナーです。
1978年にエルメスにアシスタント・デザイナーとして入社し、その後ジャン・パトゥに移籍。
本格的なオートクチュールに挑戦します。
当時のオートクチュールは時代遅れとされがちでしたが、彼は華やかでバロック風の華美なドレスを発表し、80年代を代表するデザイナーとなりました。
1986年に黄金の指ぬき賞を受賞し、翌年にはCFDA(米国ファッションデザイナー協会)の最優秀外国人デザイナーに選ばれています。
この年、LVMHの支援を得て『クリスチャン・ラクロワ(ChristianLacroix)』ブランドを立ち上げました。
デビュー・コレクションをVOGUEは「パリ中で最高に噂のデザイナー」と絶賛しました。
ラクロワの別荘には様々なトライバルラグが所狭しと敷かれています。
彼のイマジネーションはこれらのトライバルラグから得られているのかもしれません。

8. クリストファー・メローニ(1961年〜)
クリストファー・メローニはアメリカの俳優。
CM出演やミニシリーズなどで実力をつけ、1996年のスリラー映画『バウンド』で本格的なデビューを果たしました。
『恐竜家族』ではロバート・マーク・シンクレアの親友を演じ、『プリティ・ブライド』ではジュリア・ロバーツのフィアンセを演じました。
1998年から2003年まで、『OZ/オズ』においてバイセクシャルのシリアルキラー、クリス・ケラーを演じて注目を浴び、彼の演技力に着目したディック・ウルフにより1999年に始まった連続テレビドラマ『ロー&オーダー:性犯罪特捜班』で主役の刑事役に抜擢されました。
『Men’s Health Magazine』の「It Works for Me」の記事によると、メローニは 1995年にトルコへ旅行した際、初めて絨毯を購入しました。
彼のコレクションには現在、ペルシャ絨毯、トルコ絨毯だけでなく、ナバホのキリム等も含まれています。

9. ジョニー・デップ(1963年〜)
ジョニー・デップはアメリカの俳優、プロデューサー、ミュージシャン。
友人のニコラス・ケイジの勧めで俳優を目指し、1984年の『エルム街の悪夢』に初出演しました。
1990年、『クライ・ベイビー』で初主演を務め、長年の名コンビとなるティム・バートン監督の『シザーハンズ』の主演で人気を確立。
「ギルバート・グレイプ」(93)、「エド・ウッド」(94)などを経て、海賊ジャック・スパロウを演じたディズニーの娯楽大作「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」(03)が世界的な大ヒットとなり、人気実力ともにNo.1の映画スターに上りつめました。
彼はは長年のオリエンと絨毯のコレクターとして知られており、主寝室には巨大なペルシャ絨毯が敷かれています。

10. べン・アフレック(1972年〜)
ベン・アフレック(ベンジャミン・ジェーザ・アフレック)はアメリカの俳優、映画作家。
『モール・ラッツ』『チェイシング・エイミー』『ドグマ』への出演で名を知られるようになり、マット・デイモンと共に脚本を書いた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞しました。
その後も、『アルマゲドン』『チェンジング・レーン』『トータル・フィアーズ』『ハリウッドランド』など数々のハリウッド映画に出演し、俳優としての地位を確固たるものにしました。
アフレックは映画作家としても成功しており、イラン革命におけるアメリカ大使館占拠事件を描いた『アルゴ』では共同でプロデューサーを務めたジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴと共にアカデミー作品賞を受賞しています。
彼は絨毯愛好家としても有名で、サバンナの家にアンティークのペルシャ絨毯を所有しています。
『アルゴ』は、もしかしたらペルシャ絨毯から着想を得たものかもしれません。

このようにペルシャ絨毯やトライバルラグは多くの有名人をも魅力し続けています。
あなたがペルシャ絨毯やトライバルラグの愛好家なら、あなたも彼らと同じ価値を共有する仲間なのです。

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