ペルシャ絨毯のランナーの使い方
[第 話]
ランナーは様々な用途に使用されますが、一般的に、よく踏まれる場所に敷かれることが多いようです。
頻繁に人が出入りする玄関や廊下。
中で動き回らなければならない台所などです。
これらの場所では、絨毯に高い耐久性が要求されます。
ペルシャ絨毯がそんな所に適しているのか、甚だ疑問であるかもしれません。
ご安心ください。
ペルシャ絨毯はそのような場所にこそ敷いていただきたいものなのです。
なぜならペルシャ絨毯のパイルは人の手によってシッカリと結ばれているため、とても丈夫です。
また、パイルに使用されているウールは天然繊維の中では最も堅牢度が高く、また油分を含んでいるため、台所のように水や他の液体がこぼれることがあっても、それらを弾くことができます。
悠久の昔よりペルシャ絨毯は使用され続け、そして進化を遂げてきました。
最初の絨毯は遊牧民によって織られ、テント内の敷物としてだけでなく、バッグや装飾品、さらには馬や駱駝の鞍敷などとして使用されていました。
一説によると、絨毯は平織のキリムを改良したものとも言われます。
キリムは、ユニークな幾何学模様とカラフルな色彩で、今日再び人気を得ています。
さらに、キリム には、裏表の両面を使うことができるという大きなメリットがあります。
したがって、酷く汚れた場合でも、キリムを裏返すだけで新品のように見えます。
また、キリムは薄いので、開いたドアの下にも収まります。
今日、ランナーはイラン国内の様々な産地で製作されています。
そして、産地によって特徴的なデザインや色があります。
特に部族民が製作するランナーは、モダンなインテリアにも合いやすいデザインとコストパフォーマンスの高さから、とても人気があります。
ギャッベラグなど、さらに安価なものもあります。
ペルシャ絨毯のランナーには多くの種類があります。
どれも機械で織られたものよりは高価ですが、より丈夫で、寿命が長いことを考えれば機械織以上に元を取れます。
また手織ならではのものとして、時を経るにつれ味わい深さを増してゆく醍醐味を味わえます。
裏面に糊が使用されていないため床暖房にも最適です。
ペルシャ絨毯のランナーは、得てして寂しくなりがちな空間に華やかさと温かさを与えてくれます。
一度ランナーを敷いていただければ、その効果をを十分に感じられることでしょう。
ただし、シルクのランナーだこは出入りの激しい場所や水がこぼれる可能性のある場所には使用しないでください。
シルクはウールとは違い、デリケートな素材だからです。