［第　話］

イランの中央部に位置するナインは、素晴らしいペルシャ絨毯を産出することで有名な町です。
ナインは半乾燥気候で、夏は暑く、冬は寒いのが特徴で、夏 (6月から8月) は気温が 35°C まで上がり、冬 (12月から2月) は氷点下まで下がります。
町は年間を通じて雨が少なく、降雨の大部分は春と秋に発生します。
ナインを訪れるのに最適な時期は、気候が穏やかで快適な春 (4月から6月) と秋 (9月から11月) です。
これらの季節は、町の文化的な名所を探索し、活気に満ちた雰囲気を体験するのに最適です。
気温の変動が激しいため、季節に合った服装を用意することをお勧めします。
暑い夏には軽い服装が適しており、寒い冬にはコートやスカーフなどの暖かい重ね着が欠かせません。

ナインを訪れると町の歴史に浸り、いくつかの名所を目にすることができます。
ナインで最も注目すべき名所は1000年以上の歴史を持つイラン建築の見事な例であるジャメ・モスクです。
ピルニア伝統家屋と民族学博物館は美しく保存された伝統的な家で、この地域の過去を垣間見ることができます。
歴史的な名所に加えて、ナインには、絶妙なペルシャ絨毯を作り続けている熟練した職人が数多くいます。
町の賑やかなバザールを訪れると、地元の織り手たちの仕事ぶりを観察できるほか、本物のナイン絨毯を旅の記念品として入手することもできます。

ナインの町には長く名高い歴史がありますが、この地域での絨毯織りは比較的最近発展したもので、この工芸品は20世紀初頭に誕生しました。
歴史は浅いものの、ナイン絨毯は精巧な職人技と上質な素材で評判が高く、世界中で非常に人気があります。
エレガントで複雑なデザインで知られるナイン絨毯は、何世代にもわたってコレクターや愛好家を魅了してきました。

ナイン絨毯は複雑な模様で有名で、町の豊かな文化遺産にインスピレーションを得た花のモチーフや中央のメダリオンがよく見られます。
ナイン絨毯は通常、繊細な色調で織られ、アイボリー、ブルー、ベージュの色合いが目立ちます。これらの絨毯は平均的にノット数が高いのが特徴で、とても豪華で細部までこだわっています。

ナイン絨毯は、シルクやウールなどの高品質な天然素材を使用して作られています。
ナエニ種の羊からから採取されたこの上質なウールは、柔らかく光沢のある質感です。
ナインの織り手は、ペルシャ結びを使用して複雑なデザインを作り出し、見た目が美しいだけでなく、非常に耐久性に優れたラグを生み出しています。

ナイン絨毯は、その複雑さと品質のレベルに基づいて「La」という用語を使用して分類されます。
この分類システムはナイン ラグに特有のもので、ラグの基礎を構成する糸の数によって決まります。
「La」という用語は、ペルシア語で「捻り」を意味する言葉に由来しています。
ナイン絨毯については、「La」の数字が低いほど結び目の密度が高く、細部までこだわった高品質のラグを表します。
ナイン絨毯で最も一般的な分類は、9La、6La、4La です。
ただし、この分類だけで絨毯の価値や品質が決まる訳ではないことを理解することが重要です。
素材、職人技、状態などの要素も絨毯の全体的な魅力に影響します。

「La」のカテゴリーの概要は次のとおりです。

9La：
ナイン絨毯は、イラン国内や海外のラグ生産で知られる他の多くの町や都市と比較すると、入門レベルの絨毯でさえ上質かつ精巧であるため、実際にはコマーシャル品とは言えません。
9La グループのラグのノット数は通常、1平米あたり約36万ノットです。
ナインのデザインと職人技の美しさをより手頃な価格で楽しむことができます。

6La：
このカテゴリは、ナインのラグの中で最も一般的です。
6La グループのラグのノット密度は通常、1平米あたり64万ノットです。
複雑なデザインと優れた職人技が評価されており、コレクターや愛好家にとって優れた選択肢となっています。

4La：
ナインのラグは比較的珍しく、ノット密度はさらに高く、1平米あたり約100万ノットです。
これらの絨毯は、ウールやシルクなどの最高級の素材から作られており、非常に精巧に作られています。
希少性と優れた品質のため、4Laのナイン絨毯はコレクターや愛好家にとても人気があります。
ナイン絨毯を選ぶときは、Laの分類に加えて、絨毯のデザイン、素材、全体的な魅力などの他の要素も考慮して、お部屋にぴったりの一枚を見つけてください。

ナインの豊かな歴史に育まれた工芸品をご自宅に取り入れてみませんか？
手作りのナイン絨毯の独占コレクションをご覧になり、ご自宅の空間にぴったりのラグを見つけてください。
これらの美しいラグの優雅さと卓越した職人技に浸り、時代を超えた魅力をぜひ体験してください。