ペルシャ絨毯の起源を探る その3

ペルシャ絨毯の起源を探る その3

ペルシャ絨毯の起源を探る その3

[第 話]

パジリク絨毯が発見される前は、最も古い絨毯は14世紀のアナトリア絨毯でした。
しかし、カイロの旧市街のフスタート地区で発掘されてから個人が所有し、1970年代になってからロンドンのマイケル・フランセスにより世に出された絨毯は、放射性炭素年代測定の結果、7世紀から9世紀のものと判明したのでふ。

この「フスタート絨毯」は198x 91.4(cm )の大きさで、パジリク絨毯に次いで古いものとなりました。
パイルの状態が比較的よく、エッジも残っていますが、いまだ公開されておらず、これを所蔵するサンフランシスコのデ・ヤング美術館は写真さえ公表していません。

イラストによれば、この絨毯にはライオンらしき大きな動物がフィールドいっぱいに織り出されていて、イランのライオン・ギャッベによく似たデザインです。
シカゴ大学のマクガイア・ギブソン教授は、ササン朝期の浮彫には翼のある3本脚のライオンが見られる述べており、悠久の昔からライオンが神聖化されていたことが分かります。
左上隅に描かれたライオンの尻尾の後ろには、アラビア文字で「アッラー」という言葉が織り込まれています。

最初の絨毯がいつどこで作られたかは正確には分かっていませんが、最も古い織物は遊牧系部族が製作した、おそらくキリムのようなものであったと考える研究者たちがいます。
その後、より柔らかくて暖かい敷物を作るためにパイル織りが考案され、絨毯が誕生したというのです。
しかし、それに異議を唱える研究者たちもおり、彼らは絨毯とキリムは最初から別物であったとしています。
それは一理あって、キリムのような薄い敷物を土の上に敷いたところで、あまり快適さは得られないでしょう。

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