[第　話]

わが国にはいくつものペルシャ絨毯専門店がありますが、すべての店が真っ当な商売をしている訳ではありません。
法外な価格で販売する、中古の絨毯にクリーニングと修理を施して「新品」として販売する、産地を偽って販売する、偽のサインを入れて有名工房の作品として販売するなどした行為は日常的に行われています。
選んではいけないペルシャ絨毯専門店について以下の点に着目することで見分けることができます。

1. 大幅な値引きを掲げている店

大幅な値引きや極端に安い価格で販売している店舗は、品質や真贋に問題がある可能性があります。
70%オフや50%オフを掲げている店は消費者の無知に付け込み、相場の何倍もの定価を設定しています。
大幅値引きを信じて購入したものの、あとになって相場よりも高かったことが判明した……これはよくあることです。
また、品質のよいペルシャ絨毯は高級な素材を使用し手間暇をかけて製作されるため、あまりに安価な商品は本物でない可能性が高いです。
「美味い話には裏がある」のを忘れないでください。

2. 一年中セールをしている店

これは大幅値引きをしている店がよく使う行う手口です。
一年中セールを掲げるのは不正競争防止法や景品表示法に違反する行為です。
違法行為を行う店がまともである筈がありません。
ホームページを定期的に観察することで、こうした悪質な店を避けることができます。

3. 一等地にある店

東京や大阪といった大都市の一等地にある店は、毎月の家賃だけでも膨大なものとなります。
そうした固定費は商品代金に上乗せされますから、当然のこととして商品代金は高くなります。
また、こうした店に限って大幅値引きを謳っていることが多く、商品知識もあまりないのが通常です。

4. スタッフがやたらと多い店

一等地にある店と同じく、スタッフがやたらと多い店は毎月の人件費も膨大なものとなります。
これも商品代金に上乗せされますから、やはり商品代金は高くなります。
スタッフがやたらと多いというのは単なるオーナーの「見栄」以外の何者でもありません。
それは一等地にある店にも当てはまります。

5. 頻繁に広告を出して居る店

これも理由は同じです。
広告には大した費用がかかります。
Google広告などのネット広告でさえ1ヶ月に50万円や100万円などざらで、名の知れた雑誌などになると目立つ場所に1ページまるまる広告を載せるると100万円以上はします。
このように毎月、広告を掲載するには莫大な費用がかかる訳ですが、当然のことながら、この莫大な費用も商品に上乗せされるのです。

6. サイトに値段が掲載されていない店

商品として販売されるものには必ず値段が付けられます。
しかし、ときに商品の画像だけを掲載して値段を記していないペルシャ絨毯専門店のサイトがあります。
なぜでしょうか？
理由は簡単で、値段を記せない、あるいは値段を（わざと）記さない事情があるということ。
イランでは交渉によって値段が決まるのが普通です。
つまり、客によって値段が変わるということです。
このような店にとって、ペルシャ絨毯の相場を知らない一般の消費者は鴨がネギを背負って来たようなもので、終始、店側のペースによって交渉が進められます。
当然、相場よりも高く買わされる可能性が極めて高くなります。

7. 商品知識のない店

商品の詳細や品質についてほとんど情報が提供されていない店は避けた方が無難です。
商品知識の有無はホームページを見ればわかります。
信頼できる店は、商品の詳細や素材、織り方、産地などを詳細に記載しています。

8. 返品や交換の条件が不明瞭な店

返品や交換に関する条件や手続きが不明瞭な店は、トラブルが生じた際に対応が難しい可能性があります。
ペルシャ絨毯は高価であるがゆえ、失敗はできません。
事前に返品や交換の条件をしっかりと確認しておくことが大切です。

9. コミュニケーションが不安定な店

お問い合わせや問題解決に対する店舗のコミュニケーションが不安定で返信が遅い場合、信頼性が低い場合があります。
オーナーやスタッフの人間性は、こうしたところに表れるのです。
安心して買物をするために、円滑なコミュニケーションができる店を選ぶようにしましょう。

10. 評判や口コミが悪い店

レビューや口コミが多く悪い評判が目立つ店は、信頼性が低いといえます。
それはペルシャ絨毯専門店だけでなく、どの業種の店も同じです。
他の顧客の評価を参考にすることで、信頼できる店を選ぶことができます。

以上の点に注意して、信頼できないペルシャ絨毯専門店を避けるようにしましょう。
手間を惜しんではいけません。
信頼できる店舗を選ぶことで、安心して高品質なペルシャ絨毯を購入することができます。