ボルチャル産のペルシャ絨毯がイランの無形文化財に登録される

ボルチャル産のペルシャ絨毯がイランの無形文化財に登録される

ボルチャル産のペルシャ絨毯がイランの無形文化財に登録される

[第 話]

2021年2月、ボルチャル(ベロチェロ)産のペルシャ絨毯がイランの登録無形文化財に指定されました。
ボルチャルという産地を知る人は、日本にはあまりいません。
しかし、ボルチャル産のペルシャ絨毯は、わが国にほとんど輸入されていないだけで、マルカジ州で産出するペルシャ絨毯の中では良質なことで知られています。

マルカジ州の文化遺産・観光・手工芸総局長であるムスタファ・マルズバン氏は、コミジャン郡の芸術家や文化活動家とボルチャル絨毯の製作に関わる人々を称賛しつつ、「コミジャン郡はアラク市に続いて、州内で2番目に登録無形文化財を生んだ郡となった」と述べました。
これは、この郡の文化的、芸術的レベルの高さを示しています。

マルズバン氏は、「ボルチャルの絨毯は、国内外の市場でよく知られているものの一つであり、1399年2月11日の無形文化財審議委員会の会合で『ボルチャルの絨毯織り』として登録された」と付け加えました。
ボルチャルは、イスマイル1世によるサファヴィー朝樹立に貢献したトルコ系32部族の一つであり、彼らの末裔はマルカジ州西部に位置するコミジャン郡を中心に居住しています。

マルズバン氏は、「手工芸品はイランの様々な町や村の歴史と文化を背景に成り立っており、住人のアイデンティティを形成する要因ともなっている」とし、イーサー・バハードリに言及しました。
ペルシャ絨毯の有名なデザイナーでであったバハードリーは、コミジャン郡のアグチェケフリズ村で生まれ、ボルチャルの部族文化の中で育った人物です。

ボルチャル産のペルシャ絨毯は農村部の絨毯、いわゆるビレッジラグの一種で、木綿の縦横糸とウールのパイルを用いて製作されます。
円形のメダリオンに花を湛えたた花瓶をデザインした大きなペンダントを持ち、フィールドはアイボリーの地をゴル・ファランギで覆ったものが多く見られますが、ヘラティ・パターンを採用したものもあります。
パイルはトルコ結びを用いて結ばれており、シングル・ウェフト、セミ・ダブル・ノットの構造です。

ボーダーは、イラン西部のほとんどの絨毯と同様に3本の帯で構成されており、メイン・ボーダーは黒に近い濃紺であるのが一般的です。
ポシュティからキャレギまで様々なサイズがありますが、長さが3〜4メートル、幅が90センチから1メートルのケナレも製作されています。
かつては茜の根、柘榴の皮、胡桃の皮などの天然染料が使われていましたが、その後、ドイツ製のクローム染料が主流になりました。

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