ペルシャ絨毯の不正販売について

ペルシャ絨毯の不正販売について

ペルシャ絨毯の不正販売について

以前、放映された某テレビ番組で「1億円オーバーの絨毯」なるものが紹介されていました。
パルデ・サイズのクム・シルクでしたが、このサイズのクム・シルクなら、いくら高くても1000万円を超えることはありません。
白鶴美術館や遠山記念館、徳川美術館などの収蔵品をも含めて、現在わが国にあるペルシャ絨毯の中で1億円以上の値がつくのは、おそらくミホ・ミュージアムが所有するサングスコ絨毯だけでしょう。

このように多くの人が、法外に設定された定価から大幅に値引される「詐欺的なセール」に騙されています。
悪徳業者は60%オフと見せかけて商品に相場の4倍以上も高い定価を付けるのです。
たとえば、相場が100万円の商品に400万円の定価をつけて、客にそれだけの価値があると信じ込ませます。
客は60%オフだから買得だと思って来店し、160万円、つまり相場より60万円も多く支払うことになります。

50%OFFだの70%OFFだのというのは、ほとんどの場合インチキです。
そして、こうした悪徳業者は年がら年中、セールを行なっているのです。
「閉店セール」の看板を掲げながら、いつまでたっても閉店しない店と同じように、一年のうちのほとんどでセールをしている店があります。
「スプリング・セール」→「サマー・セール」→「オータム・セール」→「ウインター・セール」……一巡すると再び「スプリング・セール」に戻ります。
セールをしていない日などほとんどないにもかかわらず、全商品が「当店通常価格○○万円→特別価格△△万円」の二重価格表示。 いつ通常価格で販売したのか尋ねてみたいものです。

事実、こうした行為は不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に違反する「不当な二重価格表示」、あるいは刑法の「詐欺罪」に該当する行為です。
以下に具体的な例を紹介しますが、これらはすべてお客様から直接伺った話です。

ケース1:
岡山在住のA様は、地元百貨店の絨毯セールで定価が250万円のナイン産のペルシャ絨毯(9LA、6平米)がセールで150万円になっているのを見ました。
買おうかどうしようかと悩んでいると販売員が「120万円にしますから」と言ってきました。
それでも悩んでいたら「それでは税込で120万円にしましょう!」と言われ購入を決めたそうです。
暫くしてインターネットを見ていると、同等の商品の相場が70〜80万円であることを知り愕然としたそうです。

ケース2:
東京在住のB様は通りがかりのペルシャ絨毯専門店に「SALE」の貼紙があるのを見かけて入店しました。
ヘラティ文様のタブリーズ産ペルシャ絨毯(50ラジ、ドザール)の値段を尋ねたところ、250万円を半額の125万円にすると言われて125万円プラス消費税の137万円で購入。
イラン人の店員は「うちはデパートに卸しているからデパートの値段の半分以下だ」と言っていたそうですが……。
その後、都内の百貨店の絨毯売場に行ってみると、同等の商品に定価で100万円の値札が付いているのを見たとのことで落ち込んでいらっしゃいました。

ケース3:
川崎在住のC様は某ホテル内のペルシャ絨毯専門店で、75万円のクム産のペルシャ絨毯(シルク、60cm×90cm)を40%OFFの45万円で購入しました。
水をこぼしたら色が滲んでしまったので、百貨店の絨毯売場に持って行ってクリーニングを依頼したところ、それはクム産ではなくマラゲ産で、その百貨店では30万円前後の品であることが分かったそうです。

ケース4:
富山在住のD様は地元の家具店を借りて開催されているペルシャ絨毯展を見に行ったところ、定価36万円のモダン・ギャッベ(50cm×150cm)が50%OFFの18万円で販売されているのを見ました。
ギャッベが好きな奥様にプレゼントしようと考えておられたようです。
ただ、流暢な日本語を喋る外国人の販売員に胡散臭さを感じたとのことでご相談をいただいたのですが、50cm×150cmで18万円はどう考えても高すぎます。
ましてや定価の36万円など論外です。
結局、弊社にて同じクラスの140×200のサイズのモダン・ギャッベを同じ18万円でお買い求めいただきました。

ケース5:
横浜在住のE様はインターネットで全商品70%OFFとの店を見つけて出向いたところ、イラン人店主から定価が300万円の6平米のナイン産絨毯が70%OFFで90万円になると言われました。
E様が「他の店も見てから決める」と言うと、店主は突然「今日、決めてくれるなら65万円にする」と言い出したとのこと。
どうも胡散臭いので、写真だけ撮らせてもらって店を後にしたそうです。
写真を拝見したところ、それは30年ほど前のナイン産9LAの中古品で、フリンジは上下とも取り替えられていました。
店主は新品だと言っていたそうですが、少し褪色もしていて中古品であるのは明らかです。
これなら、せいぜい30万円がよいところでしょう。
結局、弊社にて新品のナイン産をお求めいただきました。

と、このような例を挙げればキリがありません。
もっとも酷い例になると、相場で200万円前後の商品に1200万円を支払った人がいます。
繰り返しますが、50%OFFだの70%OFFだのという話は、ほとんどの場合インチキです。
このような店では絶対に購入してはいけません。
こうして客から不正に巻き上げたお金は仕入や社員のために使用われるのではなく、ほとんどの場合、オーナーの高級車や高級時計、はたまた愛人や飲み代に消えています。
商品は店のオーナーの人間性を映す鏡。
商品がインチキなら人間もインチキなのです。
このことだけは、ぜひ知っておいてください。

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